網膜静脈閉塞症
- 問診
- 視力検査
- 眼底検査
- 網膜断層検査(OCT)
- 蛍光眼底造影
網膜静脈閉塞症は、網膜の血管(静脈)が目詰まりを起こして閉塞し、網膜がむくんだり出血を起こしたりして、ものが見えにくくなる病気です。
網膜静脈閉塞症は、高血圧、高脂血症、高コレステロール血症などのいわゆる生活習慣病の方が発症するリスクが高く、また、日本人は40歳以上の50人に1人が発症しており、海外に比べて高くなっています。
加齢により発症する可能性も上がり、男性は40代以降、女性は50代以降に発症しやすくなります。
網膜静脈閉塞症の原因
この時眼底では、目詰まりを起こしたホースの内圧が高まり、穴が開いて水が漏れ出るという事と同じ事が起こっています。
静脈から漏れ出た水分や血液は眼底出血を起こしたり、網膜をむくませたり(網膜浮腫)します。
網膜静脈閉塞症の症状
網膜静脈閉塞症が進行すると、下の画像のように、ものの見え方に様々な支障が出てきます。
急な視力低下 | 出血したところが黒っぽく見える |
視野が欠ける | 急な眼のかすみ |
網膜静脈閉塞症の症状はご自身でチェックすることが可能です。
見え方に不安がある方は一度チェックしてみましょう。
網膜静脈閉塞症の治療の流れ
網膜静脈閉塞症の可能性がある場合や、治療の効果を確認するために、下記のような検査・治療が行われます。
初診
見え方の違和感の有無や、その原因の特定のための検査を行います。
初診の方で、網膜静脈閉塞症の疑いがある方は現在の目の状況を確認するための検査を受けていただきます。
どのような自覚症状があるのかという事や喫煙歴、現在治療中の病気の有無などを、医師がお伺いいたします。
視力検査器を使用して、眼鏡やコンタクトを付けない視力(裸眼視力)を計測します。
基準となる視力が出ない場合は、検査用の眼鏡を用いて視力検査を行います。
細隙灯顕微鏡などを用いて網膜の状態を調べます。
眼底に光を当てることで、病気の箇所を特定し、拡大して検査をすることができます。
眼底出血や網膜のむくみなどを観察することができます。
眼底検査により、網膜静脈閉塞症が疑われる方は、さらに詳細な検査をするために網膜断層検査を行います。
この検査では、網膜の断面の状態を詳しく調べることができ、網膜静脈閉塞症による血管新生や網膜のむくみを発見することができます。
新生血管の有無を発見することができるため、疾患の早期発見をすることができます。
予約検査
症状の原因となっている箇所を特定し、効果的な治療を行うための検査を行います。
当院は、毎週木曜日の午後は目の疾患に対しての詳細な検査を行っております。
検査後、治療が必要と判断した方には治療についての説明を行います。
検査と説明を合わせ、2~3時間ほどお時間がかかります。
蛍光色素を含んだ造影剤を腕の静脈に注射し、眼底カメラで目の中の血管の異常を検査します。
新生血管や出血部位がどこに存在しているかを特定することができます。
検査時間は10分ほどです。
治療
注射による治療を行います。
網膜静脈閉塞症の治療には、手術で新生血管を除去する方法や、レーザーで新生血管を焼き固める方法がありますが、当院では、新生血管の成長を活性化するVEGFという物質の働きを抑える抗VEGF薬を注射する治療をしています。
抗VEGF薬注射は、この疾患に対して現在最も行われている治療法です。(標準的治療法)
経過観察
治療効果の確認のため、定期的な検査を行います。
一度の治療で新生血管が消えることはなく、治療後にも新生血管が発生することもあるので、3か月ごとに定期検査を受ける必要があります。
検査で新生血管の活動が確認できた場合には、再度治療を行います。