2021年日本眼科学会総会に出席しました。近視についてのレポート
2024/05/13
毎年春に100年以上続く眼科で最も伝統ある学会が大阪で開催されました。眼科にかかわる全ての職種の方が出席され活発な討論がなされます。当院の『最新の医療を最善の方法で提供する』という目標に沿い、医師はもちろん視能訓練士も出席しました。 当院は最新の医療機器をそろえておりますが、その医療機器を操作する人がいい加減であれば全く意味をなしません。そのため医療機器を操作する視能訓練士の教育には特に力を入れており、各種学会には極力参加してもらっています。 以下に視能訓練士からのレポートを記載します。皆さん真摯に学会で学んでおられ、今後の検査や各種説明に反映され正確な検査に勤めていただけると思います。
第125回日本眼科学会総会に参加して。
今回は高次収差や斜視弱視、近視など普段臨床の現場でよく遭遇する疾患について学ぶことができたのでとても勉強になりました。
教育セミナー1/高次収差と眼疾患を拝見して。
オルソケラトロジーの装着は高次収差が増えることにより、眼軸長伸長抑制に効果があるということも学びました。オルソケラトロジーは当院でも近視の患者様にお勧めしている治療法ですので、近視抑制に効果があるとの情報はとても参考になりました。
サブスペシャリティサンデー6/近視診療を拝見して。
こちらの項目では、強度近視や病的近視、学童近視それぞれの発症と進行予防について学ぶことができました。近視の発症には遺伝的な要因と環境的な要因が原因だとは理解していましたが、早期発祥の強度近視や病的近視は遺伝的な要因が、学童近視は環境的な要因が特に大きく関わっていることを今回の項目で学ぶことができました。
また、同じ強度近視でも発症時期により遺伝的な背景や進行の仕方、予後も異なることがわかりました。日本では近視の抑制にはアトロピン点眼やオルソケラトロジーが一般的ですが、香港ではDIMSレンズと言う新しい近視抑制の方法が注目されていると言うお話では、平均52%もの近視抑制効果があるとのことだったので、今後更に効果的な近視抑制方法として日本でも取り扱われる日も近いのかなと思いました。
今回の学会を通じて、収差や弱視、近視等の普段関わることの多い項目について、臨床や個人での勉強では学ぶことができない様々な知識を学ぶことができました。この機会に得た知識を臨床の現場でも活かし、信頼できる視能訓練士を目指す為、今後も更に勉強に励みたいと思います。
「成人期における近視の管理」についての講演
成年期若年層において、近年はVDP作業やスマートフォンなどの近方作業時間が増えたことにより20歳以上でも近視が進行する症例が増えているとの発表がされていました。
また長時間の近見作業などにより調節機能に影響がでた症例についての治療法として、低加入度SCLが挙げられており大変勉強になりました。
「強度近視における白内障手術」の講演
術前検査、眼内レンズ度数選択における計算式について。また強度近視眼術後のYAGレーザー率が高くなることについての発表などがありました。白内障手術において、眼内レンズ度数計算は術後の屈折状態に直接関わることなので、講演で学んだことを実際の臨床現場でも活かしていきたいです。
「近視抑制治療と高次収差オルソケラトロジー」では、最近当院でも近視の治療法として取り入れたオルソケラトロジーによる講演がされていました。オルソケラトロジーレンズ装用により全眼球高次収差が増え、眼軸長伸長抑制に関与している可能性があると示唆された発表があり興味深く拝見しておりました。患者様に処方させていただく際は、装用の仕方やメリットなどについても分かりやすく説明できるように知識を深めていこうと思います。
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