加齢黄斑変性
- 問診
- 視力検査
- 眼底検査
- 網膜断層検査(OCT)
- 蛍光眼底造影
加齢黄斑変性とは、ものを見る時に最も重要な器官である「黄斑」の機能が加齢などの原因によって障害される病気です。
加齢黄斑変性は放置すると、光を感じることはできるものの、視野の中心に視力障害をきたす「社会的失明」という失明を引き起こします。
加齢黄斑変性は年を取れば誰にでも起こりうる目の病気ですが、喫煙・肥満・強い日光は発症のリスクを高めるとされています。
代表的なものは喫煙であり、喫煙による酸化ストレスが目に蓄積すると、加齢黄斑変性の背景に当たる炎症を引き起こします。 発症予防や、進行を遅らせるためには禁煙が非常に重要です。
加齢黄斑変性の症状
加齢黄斑変性が進行すると、下の画像のように、ものの見え方に様々な支障が出てきます。
加齢黄斑変性による視機能の低下は、重度になると治療をしても回復しないものもあります。
見え方に異常を感じた場合、できる限り早く検査を受けることが重要です。
中心が歪む | 中心が暗い |
中心がぼやける | 中心が不鮮明 |
加齢黄斑変性の症状はご自身でチェックすることが可能です。
見え方に不安がある方は一度チェックしてみましょう。
加齢黄斑変性の治療の流れ
加齢黄斑変性の可能性がある場合や、治療の効果を確認するために、下記のような検査・治療が行われます。
初診
見え方の違和感の有無や、その原因の特定のための検査を行います。
初診の方で、加齢黄斑変性の疑いがある方は現在の目の状況を確認するための検査を受けていただきます。
どのような自覚症状があるのかという事や喫煙歴、現在治療中の病気の有無などを、医師がお伺いいたします。
視力検査器を使用して、眼鏡やコンタクトを付けない視力(裸眼視力)を計測します。
基準となる視力が出ない場合は、検査用の眼鏡を用いて視力検査を行います。
細隙灯顕微鏡などを用いて網膜の状態を調べます。
眼底に光を当てることで、病気の箇所を特定し、拡大して検査をすることができます。
眼底出血や網膜のむくみなどを観察することができます。
眼底検査により、加齢黄斑変性が疑われる方は、さらに詳細な検査をするために網膜断層検査を行います。
この検査では、網膜の断面の状態を詳しく調べることができ、加齢黄斑変性による血管新生や網膜のむくみを発見することができます。
新生血管の有無を発見することができるため、疾患の早期発見をすることができます。
予約検査
症状の原因となっている箇所を特定し、効果的な治療を行うための検査を行います。
当院は、毎週木曜日の午後は目の疾患に対しての詳細な検査を行っております。
検査後、治療が必要と判断した方には治療についての説明を行います。
検査と説明を合わせ、2~3時間ほどお時間がかかります。
蛍光色素を含んだ造影剤を腕の静脈に注射し、眼底カメラで目の中の血管の異常を検査します。
新生血管や出血部位がどこに存在しているかを特定することができます。
検査時間は10分ほどです。
治療
注射による治療を行います。
加齢黄斑変性の治療には、手術で新生血管を除去する方法や、レーザーで新生血管を焼き固める方法がありますが、当院では、新生血管の成長を活性化するVEGFという物質の働きを抑える抗VEGF薬を注射する治療をしています。
抗VEGF薬注射は、この疾患に対して現在最も行われている治療法です。(標準的治療法)
経過観察
治療効果の確認のため、定期的な検査を行います。
一度の治療で新生血管が消えることはなく、治療後にも新生血管が発生することもあるので、3か月ごとに定期検査を受ける必要があります。
検査で新生血管の活動が確認できた場合には、再度治療を行います。